いつも彰は、歩くのが遅いあたしに合わせてくれてたよね。

「でも、びっくりしたよ。光歌が倒れるなんて」

あ…あたし、体育館で倒れた設定になってたのか…。

「なんかボーっとしちゃって…」

「珍しいな」

彰はバカにしたように、あたしの顔を見ながら笑った。

「なんかヒドイ!」

「あ、なんかごめん!」

階段を上り、廊下を少し歩くと見えてきた【1年2組】のプレート。

ドアを開け、1歩足を踏み入れた。

懐かしい空気を感じる。

何1つ変わってない見慣れた教室…。