まわりが、はっきり見えてきた。

「さっきまでは、光歌は夢の中にいたの」

あたし、教室で寝ちゃってたんだぁ…。

「よし、行くわよ。つかまって」

あたしは時計を持たされた。

な、何これ!


「行くよ、光歌!大丈夫!?」

あたしは世羅の手と、時計をぎゅっと握りしめた。

あたし、本当に過去にいくんだ…。

改めて思うと、緊張する。


向こうの方で、何かがキラッと光った。

「来た!」

「きゃあ~っ!」



あたしの周りには、甘酸っぱいオレンジの香りが漂い広がっていった。