館内は想像以上に広くてきれいだった。


私たちは用意された個室に向かった。

「へ~、結構広いんだねーさっきからおじさんがめっちゃ話しかけてくるー、これってナンパ?」


酔いが冷めて、元気になった有菜のテンションが、みるみるうちに上がっていく。


「日帰りでも個室ってあるんだね^^しーちゃん!!」


私は個室を用意してくれた詩月に話を振る。


「・・・え?あ、うん親切だよね!!」


詩月は明らかに動揺していた。


「・・・?何?しーちゃんも酔った?」


わたしが詩月に問いかける。


「ううん、元気だよ・・・後で話したいことがあるんだよね」


「何!?今言ってよ!!」


「え?今?でも・・・」



「今でも後でも内容は同じでしょ??だったら今言おうよ!!」


「びっくりするかもよ?」


「うん!!いいよ?どうぞ!!」


「実は私・・・」


詩月がゆっくりと口を開いた。