「みくる?」


その声の主は詩月だった。


「美来?どうしたの?泣いてる・・・」


私の顔を覗き込んだ詩月は驚いた様子だった。


「何かあった?」

優しく詩月は問いかける。優しく。でも、

「はは・・・、何でもないよ。いろいろいっぱいいっぱいになって」

詩月に心配かけたくないし、これは私の問題だから。


笑顔を必死に作った・・・はず。

だけど、笑顔とは裏腹に涙はこぼれた。


「話してくれるよね?」


私は、今日あったことを全て話した。


ミーティングルームに携帯を忘れたこと。

有菜が過去のことを話してしまったこと。

責められたこと。

でも、やっぱり有菜も美紀乃も大好きなこと。


包み隠さず全部・・・。


詩月の腕の中で・・・。