「恐怖症ー!?どういうこと?」
美紀乃の声が響く。
「美来がねー?中学生のときに付き合ってた彼氏がいるんだけどね?」
私はなぜかトイレに入ることができない。
話を止めないと・・・
「その彼氏とはずっと美来の片思いだったんだけど、両思いになって結ばれた感じだったの、だけどその彼氏はちょー、モテモテだったからクラス中から批判の嵐だよー」
有菜は淡々と語ってるけど、私にとっては・・・
「で、美来がクラスの子から嫌がらせ受けても彼氏は放ったままで、本当にひどい彼氏だよねー?で、美来は結局、"私のこと好き?嫌いなら彼女でいられない"っていったの」
「えっ?そしたら?」
私は耳をふさぐ。
「クラスみんなの前で“えっ?オレの彼女って誰?誰か知ってる人ー?"
だって!美来が私でしょ?っていったら、"汚い、触んな誰が彼女にするっつったんだよ、勝手に妄想すんなよ"だって?あんなにラブラブだったのにー」
「えー?ひどいね、その彼氏」
ひどい・・・内緒にするっていったのに。
ひどい。
と、その瞬間トイレのドアが開いた。
「あれ?美来ー?何してんの?」
"何してんの"!?って、有菜が約束破るから・・・私は座り込んで泣いているのだ。
「まさか、盗み聞きしてたの?さいてー」
最低!?最低なのは・・・