お弁当の時間になった。


「あー、もうさいあくー(泣)」


私と有菜で楽しくお弁当タイム♫のはずなのに。


「わー♡めずらしく美来が落ち込んでるー(笑)」


なぜか嬉しそうな有菜、落ち込む私。

人が文化祭委員になったっていうのに。

「いいじゃん、詩月と一緒じゃん♡」

詩月・・・ねえ。

ちらっと詩月のほうを見る。


「詩月君♡あのさぁ、うち、おべんとぉつくったからさ、よかったら食べて♡」

クラスの派手系女子のもうアタック。

「・・・」

詩月のシカト。

「詩月くぅーん♡」

「・・・ねぇ、こいつの弁当誰か食ってやって」

詩月は機嫌が悪そう。

「違うのー♡うちわ詩月君に食べて欲しいー★」

まだ、続くアピール。

「俺、三原屋のメロンパン食べてみたいんだよね」

もう、完全シカト。友達と話しだした。

さすがに、もう諦めた様子の派手系女子。

「詩月君♫シカトはだめだぞ♥」

次はどこの派手女子かと思いきや、さっきまで隣にいた、有菜だった。

「あ、なんだ有菜か」

詩月が軽く笑顔を見せる。

女子諸君。

みんなこの、詩月の笑顔が見たいんでしょ?

最近、クラスではクールな詩月のために

詩月君応援ファンクラブができたらしい。