教室は窓際の三列が女子、廊下側の三列が男子の名簿順になっている。


そのため、名字が「園田」の私と「立花」の有菜は前後の席になる。

私の前が「さえぐさ」さんなのでもし詩月が女の子だったら、三人並んだのに・・・


とか思ってしまう。


まあ、現に私たちも中1のとき名簿順の並びから仲良くなったし。


「ねえねえ、立花さん入学式の後一緒に遊ばない?」

クラスのチャラ男子が話しかけてきた。


「え?」

有菜をナンパしていると知りながらも、なぜか私が応えてしまった。


「ってか、みくちゃんもかわいいね~」

「みく」ちゃん?「美来」とかいて「みくる」って読むんですけど。

まあ、わざわざこんな人に教えることは無いと思ったのでつっこまなかった。


「じゃあ、ゆうなちゃんとみくちゃん今日あそぼ~」

だから・・・

「・・・さっきからどんだけ人の可愛い名前まちがえてんの!?
「ゆうな」じゃなくて「あるな」だから!!!「みく」じゃなくて「みくる」だから!!
てか初対面で呼び捨てとか気持ち悪い!!!」


有菜は言い捨てた。


かっこいい!!有菜のこういうところ嫌いじゃないな。

「えと・・・、か、かわいいなまえだね~じゃあ、また今度~」


男子はビビッて逃げた。

「あ~いう男子まじキモい。」


有菜は本当にかっこいい。ちょっと憧れたりもする。


「ほんとかわいい名前~」


「え?」



私は声のするほうを向いた。