この学校は、「普通科」「特進科」「芸能科」の三つの科があり、

私たち普通科は三クラスしかないので同じクラスになれる可能性は十分にある。


ちなみに、「特進科」はまあ、いわゆるガリ勉の集まり、


「芸能科」はアイドルやモデルなんかの芸能人の卵の集まり。


校舎が遠いので私たちが会う機会はほとんど無いに等しい。


「普通科」は想像通り「普通」の集まりだ。私たちはもちろんこちらに所属している。


「あ~、みんな一緒だよ!!」


クラス表を見てきた有菜が走ってくる。

「よかったね^^」

詩月も微笑む。

まだ、男の子の詩月にはどうしても慣れない。

なるべく、詩月とは違うクラスが良かったな・・なんて思う自分が悔しい。


何で有菜はあんなに普通なのか・・・


私たちは旧校舎一階にある「普通科」B組のドアを開けた。


ガラガラ、一斉に視線がこちらへ向く。


みんなすぐにそらしたがこっちを見ながら何か噂をしている。


一部の男子は

「何か、今入ってきた女子、レベル高くね?

一部の女子は

「何か、今入ってきた男の子チョーイケメンじゃない?」

なんて会話が聞こえてくる。

詩月は男の子になると「イケメン」なんだな。


まあ、「レベル高くね?」の9割は有菜のことを指してることくらいしってるし・・・


そんなこんなで「普通科」B組の生活が始まった。