とうとう待ちに待った入学式が来てしまった。

新しい髪型に新しい制服新しいスクバ。

何もかも新鮮でちょっとわくわくする。

でも、温泉旅行から今日までの一週間、二人とは電話はもちろんメールすらしていない。

私は二人との待ち合わせ場所に行った。


(あれ・・・誰も来てない)

おかしいな・・・いつもなら詩月が誰よりも早く来てくれるのに・・・


詩月は待ち合わせに遅れたことは無い。


いつも時間より早く来て待っててくれる。


(35分だ・・・)

もう5分も過ぎている。

何かあったのかな?と思ったその時


「ごめんね~遅れた~って美来一人?」


有菜が小走りでやってきた。

天パでおろした髪が甘い顔立ちを引き立てていてすごくかわいい。

「うん。詩月はまだ来てないよ」


「めずらしいね~・・・あ、来た」


「え?」


「ごめんね!!準備に時間かかっちゃって!!」

そこへやって来たのは想像と違う詩月だった。


Yシャツにジャケット、チェック柄のズボンにネクタイ


そう、今私の前にいるのは正真正銘の男の子だった。