「・・・」

有菜と二人で温泉に向かう途中・・・

ひたすら無言・・・



初めに沈黙を破ったのは有菜だった。

「ねぇ」

いきなり話しかけられて


「え!!」

と驚く。


「何か話してよ!」


驚かれたのが気に入らないらしく、不機嫌な有菜。


「何かって・・・」


「・・・でも、有菜、薄々気づいてた」


「え?」

また驚いてしまった。


気づいてたって詩月のことだよね?

「中1のときより手とか男の子っぽいし、あんまり声とかは低くないけど」


有菜は一年生のときはよく詩月と手をつないでいた。

確かに最近つないでないかも。


それは、男の子だって気づいたからだったんだ。


「でも、詩月は私たちに話してくれたし、わざわざ一緒の高校にまで行ってくれるんだよ?私たちが信じてあげなきゃじゃん?」


有菜は真面目なトーンで話した。

“しーちゃん"も自然と“詩月"になっていた。


「うん、そうだね!よし温泉へゴー
♪( ´θ`)ノ」

そうだよね、有菜のおかげでちょっと整理できたよ。

ありがとう!有菜(=^x^=)