「実は私・・・男なんだよね」


・・・シーン沈黙が走る。



「えーと・・・」


私も有菜も言葉に詰まる・・・



「いや・・・えーと言葉に詰まるのも当たり前なんだけど・・・」


詩月が話始める。


「私のお父さん女役の歌舞伎役者だったんだけど、それで男である私にも継がせるつもりだったの・・・」


沈黙の中詩月は話続ける。


「でも、次第にお父さんの人気は落ちていって、女役をうまくできない自分の代わりに私に女役の芸を身に着けて欲しかったんだって、それで幼稚園から小学生までは女として私を育てたの、でも、中学では女の私を知ってる人が多くて、怖かったから自分の意志で女の格好してたんだ・・・」


詩月の話はいったん終わった。


「・・・でも、高校では男として行きたいんだよね、本当は一人で遠い学校行くつもりだったんだけど、やっぱり二人と一緒に行きたいし・・・ごめん、お風呂行ってくる!」


詩月は早々と部屋を出て行った。


有菜と二人沈黙が走る。

「私たちも行こうか・・・」



有菜が切り出した。


「うん・・・」



私たちは温泉に向かった。