私たちはそれぞれの教室に入った。

「おはよう、香奈。」

「おはよう!!明日花、今日朝練行ったの?」

な、なんで知ってんですか?
まぁ、嘘ついても意味ないし、正直に答えるか。


「うん。行ったよ」


「やっぱり!
さっき廊下で悠真と仲良く喋ってんの見たよー!」


え゛。
ええぇ!!
なんか、香奈誤解してない?


「香奈…言っておくけど…付き合ってないからね?」


「ええー!?違うの!?」


あぁ、やっぱ思った通りだ。
ゲームの時も主人公ちゃんと誰かが仲良く喋ってると
すぐ誤解してたもんな…香奈。


「だって悠真くん、初恋もまだだからね?」


…あれ?
香奈が固まって…


「うっそー!悠真、初恋もまだなの!?
確かにマイペースだけどさ、顔はかっこいいし、好きになる子とかいると思ったのに!!」

あ、そっか。
悠真くんが好きにならなくても誰かが悠真くんのこと好きって可能性もあるんだ。


でも…悠真くんを好きになった人、辛い思いしてるんだろうなぁ。
彼、天然だからそういうの鈍感そうだし…