テニスコートに立った悠真くんはいつもの彼ではなかった。
真剣そのもので、かっこよくて…


悠真くん…かっこいいな…



「先輩!行きますよ!」


「あ、はいっ!」


私と悠真くんはラリーを始めた。


…腕鈍ってなくて良かった…
ゲームの主人公よりは下手だろうけどね…


ていうか…あの天然マイペースちゃんがこんな表情するんだ…
別人…てか、違う人っ!?


うーん…謎だ…


私も悠真くんもお互いを好きにならなければ意味なくて…


どんな恋愛になるのか…予想もつかないや…


「先輩、相変わらず上手いですね!」



不意に声をかけられ思わずびっくりした。



「そ、そうかな?
私は、悠真くんの方が上手いと思うよ!
私たちが卒業したら、悠真くんがテニス部引っ張ってけるよ!」


…て、何言ってんだよ、自分…
卒業するまで両思いにならなかったらもうすでにthe endじゃない!!
それだけはだめだって!