少しすると葵が戻ってきた。
私たちは並んでベンチに座って、ジュースを飲んでいた。

「…先輩。ごめんね、無理させて。
僕、わがままなとこあるから、振り回しちゃって…」

…なに急に素直になってるの?
可愛すぎるよ…

「大丈夫だよ?葵くんのわがまま、2日でなれちゃった。」

「…僕、迷惑かけてない?」

でた…うるうる目線。
もうこれは…葵の必殺技だな。

「…大丈夫、かけてないよ。」

「…よかった」

ふふ。
こうみると年下って感じ。

そんなことを思っているとふと視線を感じた。
視線の先には、私のオレンジジュースがあった。

…もしかして…
飲みたいのかな?

「…飲みたいの?」

すると葵がキラキラした笑顔になった。

「うん!飲みたい!」

可愛いなぁ。
…ん?
でもこのまま飲ませたら…間接キスだよね…?
いや、それはやばいよね?
私たち、恋人じゃないんだし…

「…もーらい♪」


「え?」

あぁ、飲んじゃった…
これはもう…間接キス決定だ…



「ごちそうさま!…ついでに…間接キスも…」

葵は自分の唇をぺろっと舐めた。
その姿に、私は一気に熱くなった。

「!!もー!ばかっ!」

こいつ…こういうことになると大人びやがって…!
私だけ照れてるじゃない!


「あれれー?先輩飲まないの?
飲まないなら僕が口移しで飲ませてあげようか?」