放課後。
私は約束通り下駄箱にいた。
遅いなー…葵。
好きと気づいて待つ時間はソワソワして仕方ない。
こんな気持ち、何年振りだろう…
早くデートしたい。
楽しみ…
そう考えていた時…
私の視界がいきなり真っ暗になった。
「だーれだ?」
いつもより低い声。
でもその声はもう私の耳に記憶されていて…
「葵くん?」
「正解!」
にこやかな笑顔で私の方をみる葵。
この笑顔…私、弱いかも…
「さ、行こっか?」
葵が手を差し出している…
これは…握れって意味?
「明日花先輩?」
「え、あ、あの…手…握るの?」
私は遠慮がちに聞いた。
そうすると葵は笑顔で…
「うん。だってデートだもん。」
やっぱりか…
恥ずかしいよ…
私は恥ずかしがりながらも、葵の手を握った。
すると葵は指と指を絡めるように握り返した。
…これは…
これは………俗に言う、“恋人繋ぎ”ってやつですか!?
いや…もう、最初から心臓ドキドキ言ってるよ…
最後まで…心臓持つかが不安だ…