「なーい!!」

「え?どうしたの、明日花。そんなに興奮して。別に隠さなくて良いんだよ?」

「いや、ほんとにつきあってないから!!葵くんも変なこと言わないで!」

そしてそろそろ離してほしい…っ!

「え?違うの?つまんなーい。」

「昨日会ったばっかなのに好きになるはずないじゃない!」


私は全力で否定した。
それを聞いた葵はいかにも不機嫌そうな顔で私を覗き込んだ。


そしてまた耳元で低く囁いた。
「先輩ひどいなぁ…昨日は…僕のことがかっこよくてずっと気になってたとか言ってたくせに…
僕は昨日から…先輩がお気に入りだよ?」





体がぞわっとした気がした。
葵はゲームより色っぽいキャラで小悪魔と言うより悪魔だった。
でも可愛らしい一面があって…
私の心に入ってきて…ゲームでやったとはいえ、昨日初めて会ったわけで…
なのにもう、惚れてしまいそうな私がいた…



「お気に入り…?私のことが?」

「うん。ねぇ、先輩。放課後、デートしよ?」

「…う、ん?って、え?デート!?」

「嫌だって言ったら離してあげない。
だめ…?」


う゛…だからその瞳は反則だってーーー!!!!!!

「いい?」

「…うん…」

「やった!じゃあ今日の放課後、下駄箱で待ってるね~
またあとでね!先輩!!」

「うん、また後で…」