うわぁ。
颯人、怖い。
怒ってる…そりゃそうか。


てか寒い…


「くしゅ。」


…はぁ、私のバカ。
私、本当に行動バカかも。


「…行くぞ。」


「行くってどこに!?」


「…俺ん家。」


はっ!?

「な、なんで!?」


「なんでって…そのままだと風邪引くだろ。」


…う゛。
でも…それなら…

「自分の家で…」


「ここからならお前ん家より、俺ん家の方が近い。」


…拒否権ない。
このただならぬ空気。


「…行きます。ごめんなさい。」


「…とりあえずこれ着てろ。」


颯人は私に颯人の着ていた上着を渡してくれた。


「そうすると颯人が寒いよ!」


「…るせっ。黙って着てろ。」


「…はい。」


颯人の上着。
颯人の香りで…颯人の温もりで。
温かい。


私は颯人の温もりを感じながら颯人の家に向かった。