「それでは位置について、よーい、ドンっ」
始まった。
私の努力が試される場。
私は最後から二番目。
最後の颯人にどれだけ早くパスできるかがポイントだった。
…クラス対抗リレーだけあって、どのクラスも速い!
その中でも私のクラスと隣のクラスがずば抜けて速かった。
「明日花ー!パスッ!頑張れっ!」
私はパスを受け、そのまま勢いよく走り出した。
…速いっ!
このままだと、抜かされちゃう!
私の後ろをつけていた人はすごく速かった。
抜かされたくない…っ!
そのとき…
「頑張れ、明日花っ!お前はやれば出来るはずだっ!」
颯人の声だった。
ツンデレの彼がみんながいる場で応援してくれるなんて…
素直に、うれしかった。