「それでは位置について--よーい、ドンっ」

パンッという音にみんなが一斉に走り出し、指示が書いてある紙に向かった。


青山くんは一番に紙の所までたどり着き、
指示書を拾った--


が。
それを見て、動こうとしない青山くん。
何か難しいものを拾ったのだろうか、青山くんは微動だにしなかった。


「おい、颯人!
どうしたんだよ!お前が固まってたら意味ないだろ!?
佐々木の為に、やってやるんだろ!?
無理なものでも探し出せ!」


青山くんの親友がそう叫んだ。
そしたら青山くんは意を決したように動き出した。


青山くんが引いたものって一体…
そう思いながら青山くんを見守っていると…



…あれ?
青山くん、こっちに向かってくるような…



クラスのみんなにそれを持ってるのか聞くのかな?


…すると、青山くんは私の前で立ち止まった。


「…行くぞ。」


えっ!?
それってどういう!?


有無を言わさない表情で私をいきなりお姫様抱っこした。


「…な、な、な、なんで!?」

脳内パニックの私。

「…うっせー、黙ってついてこい!」



『まさか…青山が引いたのって…』
クラスのみんながこそこそ話してるのが耳に入った。


青山くんが引いたのって…なにー!?