「大変だ!
佐々木がケガしたってたった今連絡が入って…」


えっ!?
佐々木くんが?


「…佐々木は、体育祭に出れそうにないのか?」

青山くんは冷静にそう訊ねた。


「…ああ。
体育祭までには治らないって…」


教室は、水を差したように静まり返った。


大事な最後の体育祭。
誰か1人でも欠けたら大変で…
そして全員で思い出を作ろうって約束したのに…


一番悔しそうなのは青山くんだった。


イベント好きでみんなを仕切って。
みんなはそれについてって。


「…くそっ、1人でも欠けたら意味ないだろっ」


青山くんの呟きはまさにその通りだった。
教室全体が悲しみに包まれた、その時--