…知ってたんだ。
私の努力。


…うれしい…


そうこうしてるうちに保健室についた。


青山くんは私を降ろし、保健室のドアを開いた。


「…先生、いないみたいだな。
中村、ここに座れ。」


私は青山くんに示された場所に腰を降ろした。


「足、腫れてるな…
とりあえず冷やすか。」


青山くんは自分のタオルを水で濡らし、私の足首に巻いた。


「俺、保健室にどこに何があるかわかんねぇから、
先生が帰ってくるまでこれで我慢しろ。」


「…うん。」


私たちは今、二人きりなんだ。
…そう思うと、緊張する。


「…あのさ、私、足遅いから
青山くんの言うとおり、足引っ張っちゃったらごめんね。」



「…お前、バカか?」


…今、この場面で毒舌って…

「…お前は一生懸命、努力してるよ。
足がこんなになるまで努力して…」



…青山くん…
青山くんって俺様で毒舌だけど、たまに優しいな。


「…私の努力、見ててくれたんだ…」