カチャ。


あれ?
めがね…外された?


「ふふっ。明日花先輩可愛い。
目、開けて?」


私は葵に言われた通り目を開けた。
途端、私の視界がぼやけた。


「明日花先輩…めがねかけてない方が可愛い…」

…っ。
顔はぼやけて見えないけど、葵の甘い声に私はドキドキが止まらなかった。

「あれれー?明日花先輩、顔赤いよ?」

…くそ…
小悪魔め…でも…恨めない…

「もう!葵くん、めがね返してっ!」

「いやだ~♪」

「いやだじゃない!先輩をからかうのはだめだよ!」

「じゃあ明日花先輩。明日からコンタクトにしてきて?」


コンタクト?
この私が…?
ここ6年、ずっとめがねの私がコンタクト?

「約束できたら返してあげる。」

…コンタクトなんて…
でもこのままじゃめがねが…
どうすれば…


「あと10秒で答えないと返してあげないよ~?…10、9、8、7、」

「ええ!?待って!!!」

「…3、2、1…」

「わかった!わかったから!明日必ずコンタクトにする!」

あぁ…やっちゃった…
明日からコンタクトか…

「先輩…」

また葵の腕が近づいてくるのを感じる…


こ、今度はなにー?


カチャ。

あ、めがね…つけただけか。


「約束…ね?」

上目遣いで葵はそう言った


…う゛。
これはずるい。
キュン死しちゃう…さすが小悪魔…


「うん…約束する」

私は自然と頷いていた