「あお…い?」

「え?僕の名前知ってるの?」

…なんで…目の前に葵が?


この学校…そして私が着てるこの制服…
まさか…ここは…


恋ゲーの世界…?



まさか…まさか…ね。


「先輩?」

「あ、ごめんね?…あの…えっと…君のことずっとかっこいいなぁって思ってて、だから名前知ってるの。」

「ふーん…」

う゛。
この言い訳はきつかったかなー…
絶対変な奴って思われてるよ…


そんな思いをよそに葵はにこっと微笑んだ。

「ありがとうございます。先輩。ちなみに、先輩の名前は?」

「…明日花。中村明日花…です。」

「明日花先輩か…明日花先輩?」

「はい…」

だめだ。
頭の中が整理できない上に葵の笑顔…
心臓が破裂しそうだよ…

「…明日花先輩…めがね…」

いきなり葵の手が私の顔に伸びてきて…


え、な、な、な、な、なにー!?

私は緊張のあまり目をぎゅっと閉じた。