「悪くない! 耳は良い方だもんっ!」 …って… 何、張り合ってんだか… そもそも意識がなくて気がついたらここにいたって感じだからね、私。 「…ほんとかよ。」 空気に消されるほどの小さな声は ちゃんと私の耳に届いていた。 「本当です。」 「聞こえてたのかよ!」 …地獄耳ですから。 まぁ、耳がいいって事にしとこう。 「だって耳いいもん。」