「 お父さん.... 」


少しだけ恐怖を感じた莉乃は足がすくんでしまう。

父の後ろには母親が心配そうに莉乃を見つめている。

だけど莉乃には目に入らなかった。


「 なぜ...バイトをしてたんだ...? 」

「 わたしも...してみたかったの...。バイトを... 」

「 ・・・とりあえず中にはいれ。それからだっ! 」

「 あなた・・・止めた方が・・・ 」

「 お前もお前で嘘をつきやがってっ! 」


父が怒ったように“どけろ”という合図をして母はどけた。

そして莉乃を見て“ごめんね”と涙目で言った。