だけど逃げてたら駄目だから強い瞳で前を真っ直ぐにみた。


《 ・・・母さんから理由は聞いたぞ。修行して遅くなったんだってな? 》


―――――・・あれ・・・? お母さん、嘘ついて・・くれたの?


《 莉乃・・・? どうしたんだ? 違うのか? 》


母親の気持ちが嬉しかったけれど嘘をつきたくなかった莉乃は正直に話した。


『 お父さん・・・バイトを・・・してたの・・・ 』

《 なんだと!? 早く帰ってこいっ!! 叱ってやる!! 》


―――――・・ブチッ・・・


電話を切られてしまった莉乃は溜め息をつくしかなかったのだった。