莉乃は外に出て闇の中を走る。

美姫さんの元に向かって・・・。


「・・・すみません・・・。話し込んでしまって・・・。美姫さん大丈夫ですか?」

「あたしは大丈夫よ。莉乃ちゃん親に電話しなくて平気?」

「あっ! ちょっとだけ電話してきますので待っててください!! すみません!!」

「いいのよ、早く電話したあげて。心配してると思うから」


莉乃は美姫さんの言葉に甘えて親に電話をした。

バックから携帯を取り出し、乱れた髪や服を直してよい姿勢で一息ついてから電話をかける。


――――・・プルルルル・・・


夜の街に静かに携帯の音が鳴り響く。

美姫さんは聞こえないようにしようとしているのかスマホで何かいじっている。