言ってくれなきゃ分かんない。



あんなに結婚しようとした理由は?


私に“同じ”だとしか、言わなかった理由は?


やっぱりあの日のことを、思っての言葉なの?




「私の傷とかを見て、後悔しての、プロポーズだったの?」



「........」



「ハッキリしないさいよッ!!

婚姻届なんか、破いてやったから!!」




そう叫ぶと、彼の指先が動いた気がした。



隊員達も顔を見合わせて、私を見つめる。




「えぇ、そうよ。
ついこの間、婚姻届ビリビリに破いたわ」


「........」



「もうコレで私達は、ただの幼なじみよ。」




私の右腕を掴んだと思うと、彼はグッと引き寄せた。



私の身体は自然に、彼に預けるようになる。




「....ふざ..けんなよ..おまえ」




彼の声を聞いた瞬間、あふれてくる涙。



良かった、まだ生きてる....。




「い、きてるの?
生きてるのよね?」