高校を卒業し、春から大学生。

俺は実家を離れて一人暮らしをする。

たった今、引っ越しも終わった。

この新しい環境で、俺は何を見つけられるだろう。


そんなことを考えていると、

「亮(りょう)~!」

と元気な声がした。

この声はまさか…。と思って部屋のドアを開けた。

「やっぱり。母さんか…」

ドアの前に居たのは、満面の笑みをつくっていた俺の母だった。


「もう!ちょっとは嬉しがってよ!相変わらずあんたは父さんに似て」