僕らの高校は東の街の駅の近くにある、
西の街まではチャリンコで30分ぐらいはかかるだろうか。


達也が急に黙り込んだせいでやけに帰り道が長く感じた。


淀屋橋の大橋を渡るらへんでふと堤防沿いが目についた。


何だか懐かしい・・・

あの夢を見たからかな。


「もうすぐ花火大会やなぁ!!」


「・・おぉ!また4人で行きたいなぁ!!」

・・・・ん?


「4人??俺あの子らと行ったことないで・・・」


「い・行ったことなかったか・・・!そ・そーいえばそ・そうやな。。付き合い長すぎて勘違いしてたわ・・・」

やっぱりなんか今日の達也はおかしい。。

そもそもこいつは嘘をつくのが下手くそなはず、
今もかなりしまった!って顔してるし。


でも何を隠そうとしてるのか、それ自体が分からない。。


空はようやく夕暮れに染まりだして、でも夏の日差しはまだまだ暑かった。


ただ僕の心だけは冷ややかに何かがぽっかりと抜けているような違和感があった。