おっちゃんからすくう奴を受け取ると雪江が笑い出した。

「アハハ!春樹くん本気にしすぎぃ!あーゆうのはどのお客さんにも言うてるんやで!!」

ほんとだ・・・!
このおっさん誰かれ無しに言うてる。。

本気で考えてもうたやないかぁ!!!

「ま、まぁいいやん!」

こうしか言いようが無い・・・

「ほら!!達也君たちのためにも頑張ってとってや!!」

背中をポンッと叩かれた、俄然やる気が出てくる自分の単純さに感心した。


自慢じゃないが僕は金魚すくいが得意だ、
小さい頃から祭りにくれば決まって金魚すくいに熱中していた。

1匹・・・2匹取る事に雪江がキャーキャー言う。

「すごいやん春樹くん!!どんどん取れるやん!」


・・・むっちゃうれしい。

雪江が誉めてくれる度にどーしようもなくこそばゆくなる。

・・・3匹・・・4匹目を取った時に網は破れてしまった。

「何とか面目は保てたなぁ!!はい、大切にしたってな!」

僕は袋に入れてもらった金魚を雪江に渡した。

「アハハ!前のペン太郎君の時と一緒やん!!はい、大切に育てます!」

その笑顔に胸が奪われた。。