男はニヤッと笑うと、

「そうなんですよ!すいません。もうこのような事はしませんので了解してもらえませんか?」

先生に今までとは全く違う顔で頭を下げた。

その姿に俺は驚きを隠せなかった。

「お願いしますよ!君も気をつけなさい。では早く帰りなさい。」

先生は僕に注意すると他の生徒たちに早く行きなさいと叫びながら校舎に戻っていった。


「名演技やないか・・・」

男がボソッとつぶやく、
その顔にさっきまでの礼儀正しい顔は無かったが・・

「お前のためやないわ!春樹のためじゃ!」

「まぁええわ!はよ車乗れや!」

そう言うと男は車に乗り込んだ、
チラッと校舎を見る。
春樹の姿は無い・・・

これ以上春樹につらい思いはさせたくない。

お前は雪江ちゃんの事だけ考えとこばええ・・

こいつは俺が何とかしたらな。。

男を睨み付けながら車に乗り込んだ。