雨が強くなってきた・・

頬に当たって痛い。

雪江が行ってしまってからずいぶん立ち尽くしている。

好きで濡れている訳じゃ無いし、好きで立ち尽くしている訳でもない。


足が動かない・・・
追いかけるつもりだった

だってあの涙・・・

罪悪感が溢れてくる、自分ではおかしい事を言った気は全く無いのに
雪江は泣いていた。

雨のアホ・・・
なんてタイミングで降るんや。

涙の理由が分からない。


雨で重くなった制服のズボンから聞き慣れた音楽が流れ出した。


こんな時に誰や・・・

僕は携帯をポケットから引きずり出す。

ビショビショや・・・

高校に入り僕は携帯を買ってもらった。
正直なんの役にも立たない。
こんなもの別にいらないのに、おかんが絶対いるときがあるからと買ってきた。

「もしもし・・・」

もう電話をするのもだるいが一応出てみた。

「俺や達也や!今何してんねん?」

やっぱり達也だった。

なぜか機嫌が悪い、
僕も同じだが。