ドンッ!!

低い音が通路に響き渡る。部屋から出たとたん達也君が壁を殴ったのだ。

「くそっ!!1番の親友が事故あって今こんな状況やのに・・何もしたる事ないってどうしたらええねん」

達也君が壁を殴るたび
通路を歩く人が振り返る。

「あかんって達也!手ぇ怪我するで!」

理恵が必死で止めに入る。

「俺らはええねん。。雪江ちゃんが辛すぎるやん・・・」


達也君・・・・

「ありがと・・。でも、ずっと考えてたんやけどな。私のわがままでせっかく落ち着いた春樹君を苦しめるん嫌やから。。やから、このままで良いと思う!」

私は2人の方に精一杯の笑顔を向ける。


このままで良いねん

春樹君がいなくなる訳じゃ無いし

先生も言ってた。
記憶がふいに戻ることもあるって


「ほんとに良いの・・?」

「・・・うん」


「・・・分かった。何でも相談乗るからね!」


「ありがと・・・」


「じゃ!春樹君とこもどろっか?」


「あっ!私ちょっとトイレ行くから。理恵たち先行ってて!」