「じゃあな、椎名?」


そう言い残して彼は去って行った


最後に私の耳元で、"夜、覚えておけよ"と誰にも聞こえないように呟いた


「とことんムカつく奴」


海斗は怒っていた


「でも、良い奴なだけ余計腹立つ」


驚いた

あの海斗が人を褒めるなんて…


「でも、いくらあいつでも渡せねぇや」