『神主神社』 と書かれた鳥居をくぐって、境内の裏に回る。 裏にある大きな古い家。 回りをかこっている大木から聞こえる蝉の声がうるさぃ。 ココがお母さんの実家、おばあちゃんの家だった。 玄関の前に、両手に持っていた荷物をおろす。 一気に肩の荷が下りて、体が軽くなる。 「おばあちゃん」 玄関の引き戸を少し開けて呼ぶと、奥からバタバタとせわしなく走る音が聞こえた。