「おねーちゃん?大丈夫?どこか痛いの?」
下を向いて泣く私に、女の子は優しく頭を撫でてくれて、私の顔を覗き込むようにしてそう言った。
「ううん。どこも、痛くないよ……」
私よりも小さな女の子に心配されて、頭撫でられて……。
情けないな。
「おねーちゃん、泣くなんて弱虫だね……。情けないね……」
私は女の子にそう言って、泣きながら笑った。
「そうだ!おねーちゃんに、いいものあげるね」
女の子は、ワンピースのポケットに手を入れた。
ワンピースから出した女の子の手はギュッと握られている。
「おねーちゃん、おてて出して?」
「こう?」
私は手の平を上に向けて、手を差し出した。
「うん!」
女の子は元気に返事をして、ギュッと握られていた手を広げた。