その姿に胸が“キュン”となる。
「なぁ、タバコ吸っていい?」
「あ、はい。どうぞ」
先生はタバコをボックスから1本取り出して、口に咥えて火をつけた。
少し開けた運転席の窓からタバコの煙が外へユラユラと出て行く。
「先生?」
私は外に出て行くタバコの煙を見ながら先生を呼んだ。
「あ?」
「先生は、先生ですよね?本物ですよね?」
「あのなぁ……。お前、さっきから変だぞ?」
「だって……。いつもの先生じゃないみたいで……」
「そりゃー、仕事帰りだからな。普段の格好で仕事行ったらクビになるだろ?」
「そうですけど……。でも先生じゃないみたいで……。てか、先生って目が良いって言ってましたよね?」
「あぁ。これ伊達メガネだから」
先生はそう言ってメガネを外した。
「そうなんですか!」
「あぁ。だってメガネかけてたら出来そうな男に見えるだろ?」
えっ?そんな理由でメガネかけてんの?