駅の隣にある駐車場。


そこの一角にある月極駐車場に先生の車はあった。



「乗れよ」



先生の言葉に助手席のドアを開けて乗り、シートベルトを着ける。


先生は持っていたビジネス鞄を後部座席にドサッと置くと、エンジンをかけて車をゆっくり走らせた。


街中を抜けて、どんどん郊外に向けて走る車。


土曜日の夕方、道が激混みで走った方が早いんじゃないかと思うぐらいのスピードでしか走ってない車。


テールランプがどこまで続いている。



「……っち、渋滞かよ~」



先生はネクタイを緩めながらそう呟いた。