「な、にそれ。なんで会いにいかないのよっ」
少しヒステリックな話し方になってしまっている。
あたしだけでも冷静でいようとレモンティーを口に含む。
カラカラ、と心地よい音を立てる。
「…優也に聞いても、“俺も知らない”っていうの。」
『それなら、聞かないほうがいいのかもしれない』
「なんで、なんでそんな冷静なのよ…」
なんで?
『冷静なわけないよ。あたしは、あたしのほうが辛いし、悔しい。悲しい、怖い』
でもね、莉乃。あたし泣いたの。
泣いて泣いて泣きまくって。
もう、涙とか出なくなったかもしれないの。