『あたしだって、あたしだってあいしてる…!』
“よかった。…椎菜、ごめんな”
『謝る意味がわからないよ…』
陽斗は何も悪いことなんかしてない。
頑張って病気を治そうとしてたんでしょ?
“でも一緒に居たかったから。”
『あたしもだよ…。ずっと一緒に居たかった。』
でも幼いあたし達に出来たことは、なかったと思う。
互いを傷付け合うことしか、できなかったはずだよ。
『陽斗、これからはそばに居て?そしたらあたしは、…前に進むから』
“ん、じゃあずっと近くにいるよ。椎菜が悲しくならないように”
甘いな、陽斗は。もう、悲しい思いしか、してないよ。
たぶんこれ以上悲しいことはないと思う。