『陽斗、』 お墓に着いた途端、涙が出てきた。 言いたいことがたくさんあるのに、うまく言葉がしゃべれない。 『は、ると。………なん、でいなくなったの?あたし、ずっと、待ってたんだよ?』 陽斗、あたし今でも陽斗が好き。 “俺はあいしてる” 不意に聞こえてきた言葉は、陽斗の声だった。 姿は見えないけれど、声ははっきり聞こえた。 あたしが作り出した妄想とか、幻想かもしれない。 それでもあたしは会話を続ける。