そしてその彼女の後ろから入ってきた男性。

-ドキッ-

スラッと高い身長に目にかかる
落ち着いた茶色の髪を後ろに流して
軽く崩したスーツ姿に
胸が高鳴ったのがわかった。

「オーナー!!ナオの友達なんです‼」

テツの呼びかけにチラッと
こっちを見た
"オーナー"と呼ばれた彼は
一緒に入って来た女性に合図を送り
こっちに向って歩いて来た。

やばいっ‼‼
めっちゃかっこいい‼

そんなあたしに舞が耳打ち。

「礼奈のタイプやんな?」

「な…⁉舞⁉」

…さすが幼馴染の舞
お見通しやなぁ〜

「あ‼この子の横どーぞ〜」

と俯くあたしを無視して
空いてる隣の席を指差す。

「ありがとう〜
失礼しまぁす」

慣れた口調で隣に座る。

「初めまして…?
…って顔くらい見せてぇやぁ?」

ポンっと肩を叩かれて
彼を思わず見上げた。

「はっ…初め…まして…」

なかなか声が出ない。

落ち着け〜‼
落ち着けあたし〜‼
相手はホストやで‼

目が合って一瞬固まる。

「2人はナオちゃんの友達?」

慌てて話し出すオーナー。

「そう!同じお店で働いてるマイとレナ‼
んでこっちがこの店のオーナー!」

あたし達を紹介するナオちゃん。

それからの会話はあまり覚えてなくて
眠くなった頃にマイと帰る事にした。