胸元まである髪の毛はそんな事で乾いてくれる訳もなく…

必死でガシガシしてたら また鳴るインターホン。

ーピンポーンー

「はっはいっ」

首からかけたバスタオルで頭を拭きながら
走って玄関の鍵とドアを開ける。

「早っ…ってかちゃんと確認してから鍵開けろよ?」

「あ…はい…」

「って…ゴメン…寝起きやった?!」

バスタオルで頭を抑える部屋着のあたしを見て
申し訳なさそうに言う。

いやいや…

まさか昼から起きて大掃除とは言えずに
笑ってごまかした。

「どっどーぞ?」

慌てて中へと案内する。

「お邪魔しまぁす」

と廊下を進んでリビングのドアを開ける。

「キレイにしてるやん」

いやいや…

頑張りましたから…

入ってすぐの所に置いてある小さなソファ。

舞が来た時に一緒に座ってちょうど良いサイズ。

そこにドカッと座ってテーブルの上にあるリモコンに手を伸ばして
チャンネルを変える。

紘斗さんがウチにいる……

なんかくすぐったい感じ…


そう思いながら コーラとグラスを用意する。

食事に行った時や運転中に よく飲んでるから
一応準備しておいてん。