頷いて俯いたあたし。

頬に置かれていた手は いつの間にか頭の後ろに回されていて…
顔をあげるとありえないくらいの至近距離に 紘斗さんの顔があって…

「…好きやで…」

そう囁いた紘斗さん。

「あたし…」

"あたしも好き"

そう言おうとしたのに 塞がれた唇。

今度はさっきみたいな 触れるだけのキスじゃなくて…

唇の隙間から入って来た舌が 歯列をなぞって
強引に入って来て絡める。

そんな紘斗さんに必死になって ついていく
くらいしか出来ないあたし。

両腕を掴んで 全てを委ねる。

「…んっ…んんッ…」

2人の吐息が静かな車内を埋めつくす。


苦しくなってきた頃に やっと離れた唇。

そのままあたしを抱き寄せて

「俺…ええ年してんのに…ヤバい…
恥ずいわぁ~…」

と囁いた。