「金の事は気にせんでええよ」

弱々しく言う俺に。

「そぅじゃなくて…毎日…店に来てもらうのは…
嬉しいんですけど………」

礼奈の表情が気になった俺は通りすがりのコンビニの
駐車場の一番隅っこに車を停止させた。

「…けど?」

俯いて黙ったままの礼奈に優しく言う。

「俺…ただ礼奈ちゃんに会いたかっただけやで?」

そう言うと いきなり顔を上げてこっちをみた礼奈。

「それ……あたしも…同じです。……でも…
紘斗さん来てると仕事に集中出来なくて…」

「…へ…?!」

"あたしも同じ"?

そう言うたやんな?!

聞き間違いじゃないよな?!


思わず礼奈を抱き寄せてしまった俺。

「ご…ゴメンな…?
仕事の邪魔するつもりはなかってんけど…」

抱き寄せた礼奈の両肩に手を置いて目を合わせた。

真っ赤な顔の礼奈の大きな目にはうっすら涙が溜まってて…

「だから……出来たら店以外で会いたいです…」

絡めた視線をそらさずに潤んだ目をした礼奈の
頬に片手を置いて 思わず重ねてしまった唇。

軽く触れただけなのにドキドキうるさい心臓。

あり得へんくらい熱くなった顔。

それを隠す様に礼奈を抱き寄せる。

俺…ホンマにホストなんか…??

「俺と…付き合ってくれる?」

すごく小さい声で耳元でささやく俺の言葉に

ーコクンー

礼奈は小さ頷いた。