でも……帰る気はさらさらない。 楽しかったけど…… 辛かったから。 「美沙。」 「……!く、組長……」 背の高いこの男は、私を拾ってくれた恩人、佐々木佑磨(ささき ゆうま)。 花鳥風月の、組長でもある。 「どーしたんだよ、美沙。何かあったんだな?」 「や…別に…」 なんか…小さい時からよく心読まれるな……とほほ。 「帰っておいで…?」 耳元囁かれ、 思わず体をビクつかせた。