たわいもない会話を
していたとき…
ーそのときー
「さくられもんcいる?」
教室の入口に1人の
男が現れた。
「うわぁ男子と1対1
無理だ」
面倒だぁ。
同じクラスの男子なら
まだしも
違うクラスの男子
関わりないし
大事な用事はないはず
うちを呼んだ男子は
染めてない黒髪に
青白い顔で美形男子。
あぁいうの無理だな。
冷たい視線を感じ
男子の下へと急いだ。
ー「はい…」
人気の少ない廊下に
出た。
目を合わせる気はなく
目は伏せたまま。
「さくられもんc
俺と付き合って下さい」
えっ?告白?
もちろん
「無理。」
即答w
「なんで断るの?」
「遊び?」
「半分本気。半分冗談」
…信じらんない。
「興味ないから。」
嫌気がさして男子に
背中を向けた。
「ねぇ、もしさ?」
「ぅん?」
背中からの声に足を
止めた。
「俺が本気で振り向か
せるって言ったら
断る?」
「…勝手にしたら?」
「じゃあ…いいって
こと?」
「どっちにしろ
うちは男子苦手だから
無理だと思うけど?」
振り返り目を合わせず
余裕の笑みをした。
「わかんねぇ〜よ。
先のことなんてよ?」
余裕そうに聞こえた。
表情が気になったので
恐る恐る顔をあげると
ニヤリと笑っていた。
そしたら目があった
のでとっさにそらした
「知るか!!」
「"知るか"って言い方
面白っ」
笑われたのが悔しくて
教室へ逃げた。
"あっ俺、佐藤春馬な?さとう はるま ね?"
そんな言葉を耳に残し
ながら…。
ー佐藤春馬に告られて
数日たった。
発展?
な〜んにもしてないよ?
"本気で振り向かせる
なんて
かっこいい台詞はくね
佐藤春馬。"
"真剣な顔で言ったん
じゃないよ?
笑いながら。
絶対あれ遊びでやろう
としてるよ。"
"まぁ〜見た目
そんな感じだよね。"
あ〜ちゃんとは
席替えの運がよかった
のか左右の席になった
だから授業が終わった
後は横をくるりとして
2人のトークが始まる
"あっ次移動教室じゃん
"行こ行こ〜"
"れもんc"
うわぁ〜出た。
この声は佐藤春馬。
うちの背中の方から
声がする。
【この後の行動は?】
〉・返事する。
・無視する。
ピッ
・返事する。
〉・無視する。
はい、無視しよう。
だって男子と何話せば
いいかわかんないよ。
"れもんちゃ〜ん。"
"…。"
"れもんちゃ〜ん。
…ちょ、無視?"
"…。"
ぅん。ひたすら無視。
そうしていると
うちの隣で歩いてる
あ〜ちゃんが
ひじでうちの体に
つっついてきた。
"ちょっと佐藤春馬が
呼んでるよ〜?"
"いいの!!無視無視。"
まぁ少し返事しなくて
申し訳ない気持ちは
あるけど。
"佐藤春馬くん。"
返事せずにいると
あ〜ちゃんが
後ろを振り向いて
代わりに
佐藤春馬に話し掛けて
いた。
…なんで?(´・ω・`)
"ん?"
"ごめんね〜この子
男慣れしてないから"
!
あ〜ちゃん余計な情報
"えっ…まぢで?"
"!!違う!!"
とっさにうちは
佐藤春馬の方に
振り向いて叫んだ。
否定した。
だってなんか悔しい。
男子苦手とかバカに
されるに決まってる。
"え〜事実じゃん"
"あ〜ちゃんうるさい"
あ〜ちゃんの体を
一発叩いた。
"え〜なにそれ!
男慣れしてないとか
純粋じゃん!"
…えっ
純粋?
"なんか〜そういう子
って純粋って感じしね
"うっう〜ん"
"いいじゃん。純粋。
かわいい。"
かわいい。
ポッ。
思わず顔が赤くなった
だってだってだって!
男子に面と向かって
"可愛い"とか
言われたことないし。
だから…慣れないし。
"ん?れもん顔赤いよ"
"知ってる!"
顔赤くなったのを
見られたくなくて
俯いてると
"顔赤いの?"
なんて佐藤春馬が
尋ねてきて
うちの顔を覗きこもう
とした。
バン!!!!
"いてぇ!"
覗きこまれるのが
嫌で思いっきり叩いた
"何やってんのれもん"
隣のあ〜ちゃんに
呆れ顔で見つめられた
"うちの顔…。
か、顔を見るな〜!"
そう捨て台詞をはいて
うちはあ〜ちゃんの
腕を引っ張って
佐藤春馬から逃げた。
あっ顔はまだ赤いです
男子苦手!
恥ずかしい。
ー授業中はいろいろと
考えていた。
まず佐藤春馬。
うちの許可なしに
うちの顔を覗きこもう
とした。
恥ずかしい思いしたく
ないし
もぅ会いたくないなぁ
…後さなんで周りの
女子は男子と普通に
話せるの?
あっ何か…
元気な子とか
ギャルっぽい子とか。
男子を男子として
見てないから。
でもそういう子で
彼氏いる子は結構多い
やっぱ慣れ?
"慣れでしょ。"
いきなり隣の席にいた
あ〜ちゃんが言った。
"えっ何で心の声が
わかったの?"
"はっ?声に出してた
ボソボソと。"
"え。"
"まぁまだ大声で
出すよりはマシだから
いやいやいや。
そういう問題じゃない
から。
"慣れだよ。慣れ"
"そうなの?"
"だってれもん
お兄さんいるでしょ?
男子苦手だから
お兄さんとは
話せない?"
"うぅん。
普通に話せるよ。"
うちには3つ上の
兄がいる。
"でしょ?
れもんが産まれた時
から側にいるから
慣れてて自然に
話せるんじゃん?"
!
なるほど!
慣れ…か。
佐藤春馬に慣れるかな
男子苦手だから
やっぱり難しいかな…。
ー昼休み
あ〜ちゃんと一緒に
うちの机を囲んで
弁当を食べた。
"おいし〜っ!やっぱり弁当いいね。"
"ぅん。おいしいね"
うちの好きな弁当の
おかずは唐揚げ。
まぁ今日は冷凍食品の
唐揚げだけどね。
"はは。"
"ん?"
"れもんってリスみたい
"リス?"
"ぅん。
唐揚げ入れてる
ほっぺの部分が
ぷくって膨れてリス
みたい。"
"…。"
恥ずかしい。
"あっ。
また顔赤くなった。
照れ屋さん♪"
"うっうるさい。"