……花音の家…



俺の家の隣に立つ、綺麗な家




…もしかして…!




俺は花音の家の玄関に手をかけた




ガチャ



開いた!!


花音の靴もあった



花音はここにいる




「花音!!どこだ!!」




家の中は真っ暗で何も見えなかった



電気をつけながら部屋を見て回った




「!」



……いた…




リビングのソファーに、うずくまるように座る花音を見つけた




「…なにやってんだよ…こんな暗いとこで」


「わ、私…邪魔かなって…」



邪魔?




「朔弥、本当は麗華と付き合いたかったんでしょう?

だから、私…
私のせいで、二人を突き放しちゃったから…」




なんで、お前はそんなに優しいんだよ




「俺は麗華じゃなくて、花音がいいんだけど」

「え…?」

「花音はいいの?俺が麗華と付き合っても」

「やだよ…私、朔弥がいないと…」




俺はそっと、花音を抱きしめた




「自分が欲しいと思ったら言えよ。

欲張れよ。お前は我慢しすぎ

いいんだよ、わがまま言って」



「ふぇ……っ」




花音は俺の胸で泣きだした