僕んちに入っていくあっちゃんの両親。
「……あっちゃん。」
「遥、さっきの声何…?」
眠そうに目を擦りながら僕に聞いてくるあっちゃん。
「……わかんないよ。」
甲高い悲鳴が僕んちから聞こえる。
きっとあっちゃんのお母さんだ。
それを合図にするように、足の力が抜けた。
ぺたん、と夜の冷たいアスファルトに座りこむ。
悲しくなんか無いのに目からは水が流れる。
「ハルくん!」
そう言いながらあっちゃんの両親が僕んちから出てきた。
「大丈夫。大丈夫だから。ハルくんは悪くないから。」
僕を抱き締めるあっちゃんのお母さんの手は震えてた。
僕はその腕の中で感情の無い水を流し続けた。